「十人十色ゲーム」とは?

あらためて、「他者の視座」を意識してみること

 コミュニケーションのあり方についての関心が高まっている今日、「質問のテクニック」や「傾聴のスキル」に関する情報が氾濫しています。もちろん、「コミュニケーションの技術」という側面が無視できないことは確かですが、日常的なコミュニケーションにおいて、「高度なテクニック・スキル」を駆使しなければならない場面はそれほど多くないように思われます。その一方、学生達の日常的な振る舞いを見ていると、「他者の視座」をほんの少しでも意識していれば、「高度なテクニック・スキル」なしでも、良好な関係性を構築・維持できるのではないかという場面に出会します。

 おそらく、ほんの些細なことであっても、日常の中で「他者」を意識するのは、公式のトレーニングプログラムの中で、「高度なコミュニケーション技術」を習得するのと同じぐらい困難なことのはずです。「どんな注文するかなんて些細なこと、いちいち意識してないのが普通じゃないか」という言葉の背後には、「やろうと思えば簡単にできる」という意識が見え隠れしています。でも、「やろう思えば」ということが落とし穴です。私たちは、「重要だ」という認識がない限り、「やろうと思わない」ことがほとんどなのですから。

 このことに気づくために、「十人十色ゲーム」では、敢えて「重要でないこと」に焦点を当てることにしました。ゲームの中で「他人の好みの食べ物を予想することがいかに難しいか」を経験することが、あらためて「他者の視座」を意識することの意味や意義について考えてみるきっかけとなることを期待しています。